本書「強者の流儀」を読むと朝倉未来という人間が強者である理由がわかります。
それはただ単に力としての強さだけではないんです。
人を惹きつけるものは何なのか。
彼が何を考え、どう行動してきたか、そして彼の人としての魅力が書かれた一冊です。
一体、朝倉未来とはどんな人間なのか「強者の流儀」にかかれている内容を見ていきたいと思います。
破天荒のように見えて理詰めで考え行動している
総合格闘家で現在RIZINでもっとも注目を集めるファイターであり、なおかつ登録者数100万人を超えるトップYouTuberでもある朝倉未来。
中学、高校時代は喧嘩に明け暮れ、一人で十人相手にも勝ってきたという喧嘩無双エピソードを持ち、暴走族に所属していたり、少年院で過ごした時期もあるという。
一見相当やばい人なのかなと思いきや、本書を読むと強さというものを本質的に理解していて、友情を大切にし、周りの人にリスペクトを怠らない、優しさも持った人間であることがわかります。
若気の至りがあったことは素直に認めています。自由を求めて色々なことに反発していたけれど、それは家族や社会に迷惑を掛けていて、無責任な自由であり、偽物だったと言っています。尾崎豊の15の夜の中の世界観の中で生きていたのかもしれません。
プロ格闘家として、そしてYouTuberとして両面でトップの顔を持ってるわけですが、なぜそんなことができたのでしょうか。
喧嘩に明け暮れた人間が、格闘家としてトップの地位まで登り上がったというストーリーはなんとなく想像がつきやすいです。突出した身体能力と闘争本能だけで勝ち上がってきたように思えます。
しかし、それだけではないことがわかります。
練習から相手の分析まで全て理詰めで頭で考えて行動しているんです。しかもものすごく的確に。
運動能力だけではなく、非常に頭がいい方です。
YouTuberに関しても同じことが言えます。先輩トップYouTuberを分析して、何が求められているかを考えた結果が成果として出ているんですよね。
朝倉未来とは何者か
子供の頃から身体能力と発想が他の子供とは少し違ったようです。
頭の回転が早く、物怖じしない性格で、トラブルが起こっても対処方法をすぐに思いつく子だったそうです。
この時点で既にジャイアン的な存在だったのかもしれません。YouTubeでサイコパス診断を受ける動画があるんですが、やはり一般の人の思考とは少し違う結果が出ていました。
格闘技でもYouTuberとしても考える力、発想力という点では、素質の部分が大きいのかもしれません。
中学生になると不良の道へと進むことになります。高校では喧嘩をするために暴走族に入り、バイクと喧嘩に明け暮れる。でも集団で一人をいじめるようなこと、窃盗などの卑怯なことは嫌いで、悪事をはたらくことに興味はなかったそうです。しかし、喧嘩が原因で少年院へ。少年院を出るとTHE OUTSIDERに出場し、格闘家としての道を歩むことになります。その後総合格闘技のRIZINへ参戦しプロ格闘家として活躍、人気を博しています。そして格闘家と並行してトップYouTuberとしても活躍しています。
そもそも強さとは何か
格闘技の試合と、日常の生活の中での強さは少し違うかもしれませんが、共通するポイントがあります。
それが自分を客観視するということです。と言っています。
自分の強みと弱みを把握することができ、強い部分を生かし、弱い部分を潰していくことが大切で、強い人は自分のことを客観視できているし、客観視できないと強くなれないと言っています。
強い格闘家の4要素
- 頭がいい
- 基礎的な身体能力の高さ
- 努力の継続
- 意志の強さ
頭がいい
学校の勉強ができるとかではなく、頭を使って準備をして戦うということ。
ただ単に力任せに戦うのではなく、客観的に分析して、戦略を立てて目標を達成させることですね。
基礎的な身体能力の高さ
生物的な並外れた身体能力を持つ海外選手もひしめく中では、最低限の身体能力が必要。
努力の継続
目標を達成するためにはコツコツと努力を重ねることが必要。
意志の強さ
最後までやり遂げる、折れずにやり続ける軸の強さが必要。
拮抗した選手との戦いでは最後は気持ちが強さが勝敗を分ける。
これらの要素は他のスポーツはもちろんのこと、ビジネスの世界でも通用する要素ではないかと言っています。
格闘技は本能的な能力が大きなウェイトを持っていると思いがちですが、頭、メンタル、体力の総合力でもあるんですね。
人生のテーマは「自由」
自由に生きるためには何が必要か。それは信頼できる少しの仲間と、お金と、責任と、そしてぶれない軸。
練習は量より質
練習で重要なのは量ではなく質で、そして継続。
短時間集中して練習することでモチベーションを維持し、継続することができるようです。
徹底して無駄なことはしない。一般的なウェイトトレーングやランニングのトレーニングも一切やらない。実践形式のスパーリングをメインに練習しているようです。
常識にとらわれずに何が一番必要なのかを考えてトレーニングをしているということです。他のスポーツでもそうですが、スポ根の時代は終わり、科学的であって、分析から最善の方法を導くことが重要で、たんに常識にとらわれず自分の頭で考えることができるというのがやはりトップであることの条件のように思えます。
臆病に考える
対戦相手が決まるとその相手に勝つことを目的として練習する。その際にすることは相手を過大評価するということ。相手を強く見積もっておくことで十分な準備と慢心を回避することで自分自身の弱さを克服できるといことです。
メンタルの強さの権限は死ぬ覚悟
格闘家は武士に似ていて、すぐ近くに死の可能性がある。だから覚悟がなければリングには立てない。リング上で死ぬことへの恐怖はほとんどないと朝倉選手は言っています。また、本当に死んでもいいと思っているからこそ心の底から開き直れる。開き直ることで生を感じるとも言っています。不良時代も同じ感覚で戦っていたそうです。そのことで生を実感していたと。
死を意識することで人生観が変わるとよく聞きますが、多くは死が向こうから歩み寄ってくる場合です。
それとは反対に自分の方から死へ立ち向かっていくというのは、とてつもない強さを感じます。
なぜYouTubeを始めたか
全ての行動は自由を獲得するためのものであり、YouTubeは自分の発想で自由に企画を実現して視聴者が突いてくれることでお金を生み出すことができる理想的な職業と言っています。
大好きな格闘技をもっと広めるためでもあった。
でも有名になれば、どこにいても注目されるようになって、それは自由から離れることになってしまう。格闘家として積み上げてきたものがなくなってしまうのではないかということも考えたそうです。それでも格闘技という素晴らしい文化を広く伝えたいという気持ちからYouTubeを始めるにいたしました。
朝倉未来は本来は表に出ることが嫌いなようで、表に出ないでも稼げる方法を見つけたら、潔く表舞台から消えようとしているようです。不動産の勉強もしていて、自分の方向性を見据えて、すでに行動しているみたいですね。
朝倉未来の恋愛
外見的には黒髪で色白で清楚な感じの女性が好み、でもそれよりも重要視するのが内面で硬派な女性が好みだそうです。ただ、あまり人を好きになることは少ないようで、そもそも人にあまり興味を示さない性格のようです。
ここでも分析力を発揮して、女性の本質的な部分まで見るようなので、なかなかおメガネにかなう女性は少ないそうです。
また、極度の恥ずかしがり屋だそうで、好きな人が隣で寝ていたら緊張で寝られなくなるし、手を繋ぐのは付き合ってから半年後くらいでいいと言っています。
令和に紛れ込んだ武士と思ってくださいとまで言っていることから、本人自身が相当硬派な男だということがわかります。
最後に
どうでしたか。朝倉未来という人間はリングの上では闘争本能全開の熱いファイターですが、実は頭の中は冷静で徹底的に相手を分析し、勝つための準備と入念に練られたプランで試合に立ち向かっています。
YouTuberとしても分析力を発揮して、視聴者が求める企画を考案して、結果は100万登録者数を突破。飛ぶ鳥を落とす勢いで注目を集める存在になっています。
そんな本人の素顔は、自由を求め、友達を大切にし、ぶれない軸を持ち、死をも恐れない覚悟がある。本人自身が好きな漫画とも言っていますが、まるでワンピースのルフィのような男のように感じます。
朝倉未来が人を惹きつける魅力ある人間であることを本書から感じ取れるはずです。
コメント