森林資源が豊富な日本が抱える問題点

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目次

日本の森林の現状

 

日本は世界有数の森林大国です。

 

日本の国土面積の約3分の2、約2500万ヘクタールが森林となっています。

 

世界的に見て森林率はフィンランド、スウェーデンについで世界第3位となっています。

 

日本は全国で十分な降水量があり、森林が育つ環境に恵まれています。

 

日本は資源が乏しい国と言われていますが、森林資源に限って言えば資源大国ということになります。

 

 

森林資源が活用されない

日本は戦後の復興において木材の需要が急拡大しました。政府は「拡大造林政策」をとり、木材の供給不足へ対応をとりました。

この「拡大造林政策」によって、建築用途に適した経済価値が高く、成長スピードも速い杉やヒノキなどの針葉樹が大量に植えられました。

 

木材の需要が増え、価格が高騰し全国でどんどん木を植えることになりました。

 

しかし、木を植えてから木材として使えるようになるまで、少なくとも40年ほどの年月が必要となります。

 

「拡大造林政策」が行われている間に二つの変化が訪れます。

  • 燃料革命
  • 輸入材の利用拡大

1960年代に燃料革命が起こります。燃料革命とは薪や木炭をエネルギーとして使用していたのが、石油、ガス、電気に取って代わられたことです。

薪や木炭としての需要が減少していくなかで当然木材の需要も減少していきます。

 

戦後木材の需要が急速に高まる中、需要を満たす為に、1964年木材の全面輸入自由化となりました。海外からの木材は安価で安定した供給を実現し、国内に広がっていきました。

 

つまり、木材の急速な需要増への対応として杉やヒノキを大量に植林するのと同時に、輸入材を進んで取り入れましたが、燃料革命により需要が減少してしまった。

その為、国産材の需要が減っていくことと、輸入材の安定供給が 確立されると、国産材の価値が大幅に減ってしまうことになりました。

 

現在の問題点

戦後大量に植えられた木が40年以上経ち収穫期になっています。

 

しかし、燃料革命もそうですが、紙の使用が減っているように、木を原料にするものから他のものへの変化が、木材の需要を細くしてしまっています。

 

国産材は間伐などの保育作業、伐採、搬出にかかる費用が結局回収できずに赤字となり、林業従事者が減少しています。森林資材は多くあるにもかかわらず、海外材との競争に負けてしまっているのです。

木を売ってもコスト分を回収できないのであれば、山の管理は次第に滞り荒廃してしまいます。荒れた山がどんどん増えているのが現状です。

 

山が荒れると

人工林は人の手によって、木を密集させて植林する為、間伐などの管理がされないと太陽の光が山に入らない為、下草が育たず土壌が痩せてしまいます。

そして、台風による被害や、大雨による土砂災害が起こる危険性が高まります。

水源の役割としての機能も低下してしまいます。

 

森林環境税が導入される

2024年度より森林環境税なるものが導入されます。

 

森林の整備は災害の防止や地球温暖化の抑制など、国民にとって広く利益のあることです。その財源を確保する為に国民一人一人から税金という形で徴収されます。

 

個人住民税を収めている約6200万人が対象で

一人当たり年間¥1,000負担となり、約600億円が年間の税収となります。

 

森林荒廃の課題解決に向かう第一歩が示されたと言えると思います。

 

実は輸出が増えている

最近の日本の林産物の輸出が増えています。

近年、林産物の輸出が急増しています。 

平成24年に123億円だった林産物の輸出額は、平成29年に360億円となりました。

品目別では、土木資材や梱包用に使用される低価格・低質な丸太が4割、輸出先国別では、中国・韓国・フィリピン・台湾・米国で9割を占めています。

 引用:林野庁ホームページより

 

世界的な木材の価格高騰により、日本材への需要が拡大しています。

日本の高度な加工技術やヒノキ人気などもあり、付加価値のついた木材が中国や韓国などアジアを中心に輸出が増えています。

 

まとめ

日本には豊富な資源がないと言われてきましたが、実はたくさんの森林資源を保有しています。

この資源を有効に活用することができれば資源を輸出する資源国になれるかもしれません。

その為には森林への興味を広げていく事と、林業従事者不足や育成の問題の解決。最終的には林業が儲かるようにならなければなりません。

 

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