生産管理の仕事を7年ほど経験したことがあります。
生産管理はどんな仕事だったのか、また実際に経験してみて感じた大変だったこと、やってよかったなと思うことを記しました。
どちらかというと大変だったなぁ、というのが正直なところです。
ただ、どんな仕事でもそんなものなんじゃないか、とも思うところです。
自動車産業の部品メーカーでの経験です。
下請けの部品会社でした。
そこそこの規模の会社だったので経営から生産にいたるまで比較的しっかりとした会社だったと思います。
生産管理とは
生産現場(工場)における司令塔なんてよく言われます。司令塔と言うとなんだか花形の部署のように聞こえるかもしれませんが、実際にはもっと縁の下の力持ち的な色が強いです。
なんだかんだ、生産現場の製造部隊が実際に売上を上げる製品を作っているので、製造現場様様なんですよね。
生産現場に指示を出すのは確かに生産管理の仕事ですが、
「この計画でどうにかお願いします」
といったような力関係が実際のところです。
司令塔なんて言うと思い通りに仲間を動かしてゴールに向かうようなイメージになると思いますが、実際にはもっと地味な仕事です。
生産管理は色々な意味での調整役です。
生産管理の仕事
生産の計画を立てます
下請けなので、得意先(完成車メーカー)の生産計画をもとに、その計画に合わせた自社の生産計画を作ります。得意先の生産計画が絶対なので、滞りなく納品ができるようにしなければいけません。
余分な在庫を持つとコストになるので許されず、得意先への納入は絶対なので欠品や納期遅れも許されず、綱渡り感がありますね。なにか大きなトラブル等が起きて生産に支障が出れば大慌てです。
ただ、計画を組むということは工場全体の道筋をつけることですから、計画屋の腕の見せ所といえます。
生産計画をもとに生産体制を組みます
生産計画を作って、その計画をこなすために必要なことを調整します。
- 生産の人員の調整
- 残業時間の調整
- 夜勤生産や休日出勤が必要かの調整など
生産計画を元に必要な部品を発注します
生産に必要な部品を発注します。大元の計画にそって必要な部品と必要な数を発注します。
必要な部品が一つでも不足すると今度は自社の生産ができなくなってストップしてしまいます。部品の在庫数と発注数を把握しておかないと、製造現場から「部品が足らないけど、どうなってるんだ!」ということになります。
部品の発注先との調整業務
部品の発注数と納入日、納入の時間までも指定して発注をしたりします。何の滞りもなく発注通りに納入してくれればいいのですが、発注先の会社の都合もあり調整依頼が舞い込みます。例えば「指定の納入に間に合わない物がある」とか、「納入する数量を一時的に調整してほしい」とか、「トラックに積みきれないから、一部の部品を後回しにしてほしい」とか。
部品会社に対して、ちゃんと納入するのが仕事だろと思われるかもしれませんが、発注先の会社の言い分も汲み取ることができます。なぜなら、だいぶ無理な発注をしているなと、発注をしながら思うことがあるからです。
発注してから納入してもらうまでの時間をリードタイムといいますが、このリードタイムが本当に短くて厳しい要求となってしまうんですよね。三日後に、ある部品を300個納入してくれと発注しても、その部品会社も在庫がなかったり、そんなに急に言われても作れないと言ったことがでてきます。発注先の会社ももちろん材料を手配して生産計画を組んで生産をして納品してくれるわけですから、時間は必要です。正直そんなのお構いなしに発注を掛けるんですから同情してしまう部分もあります。
もちろん、完成車メーカーから前もってある程度の生産予定数は情報としてもらっていて、その情報をもとに必要な部品の予測数字は部品会社へも流していますが、完成車メーカーの確定した生産計画の蓋を開けてみればめちゃくちゃ予定の計画から変更が入っとる・・・。ということが本当に多いのです。
「前もって出した数字はあくまで予定数であって、確定数ではないから」
というスタンスで押し通されます。
下請けの悲しいところです。とはいえ、部品会社に必要な部品を納入してもらわないと生産ができなくなってしまい欠品を起こしてしまいますから、そこの調整業務が生産管理の仕事でもあります。
(車産業はジャストインタイムが当たり前です。必要なものを、必要なときに、必要な分だけ作るというのが常識になっていて、余計な在庫は無駄でしかないという考えです。在庫を罪庫とまで言ったりします。なので発注から納入までのリードタイムを意図的に短くしています。これは下請けにとっては準備する時間が短くなる訳ですからしわ寄せを被るわけです。)
トラブルへの対応
生産管理の仕事として部品を発注したらそれで終わりではありません。部品がちゃんと納入されて無事に生産ができるまでが仕事と言えます。トラブルは日常茶飯事で起きます。その対応も仕事の一つです。
例えば、
他責のトラブルとして
- 大雪で高速道路が通行止めになってしまい、部品を配送しているトラックが足止めを食ってしまった
- トラックが事故渋滞に巻き込まれて納入時間に間に合わない
- トラックのエンジンが途中で故障し動かなくなった
- 海外からの部品で、台風によってコンテナ船が出港できなくなってしまった。
- 発注していたものと別の部品が納入された
- 発注していた数量が足りなく納入された
- 部品会社が手違いで発注した分を漏らしていた
- 納入された部品が不良品で生産に使うことができないものだった
- 荷降ろし中にフォークリフトで納入部品を落としてしまい使えなくなった
自責のトラブルとしては
- 部品発注すること自体を漏らしていた
- 違う部品を発注してしまっていた
- 数量を間違えて発注してしまっていた
- 納品の指定日を間違えていた
トラブルは本当に多いです。
トラブルが起こったら生産管理としてまず何をしなければいけないかというと、どうにか社内生産をストップさせずにすることです。
トラブルがあった部品の社内在庫を調べ(机上の在庫ではなく実際に数えて確実な数字を出す)社内の生産のどこの部分まで在庫でもたせられるのかを把握し、部品の在庫が切れるまでになんとしてでもトラブルのあった部品を納入してもらうように調整をはかります。
- トラックが動かなくなってしまったら、別のトラックを仕立ててもらい新しい在庫をすぐに手配してもらう。
- 船が動かないなら、飛行機便を手配し飛行機で部品を持ってきてもらうようにする。
- 納入されたものが不良品なら、正常な部品を直ちに持ってきてもらい、不良品を全て回収してもらう。
自責の場合はもっと悲惨です。
- 部品会社に頭を下げて必要な部品を準備してもらい自分で取りに行く。
- 自分で取りに行くと生産に間に合わない場合、更にさらに頭を下げてどうにか持ってきてもらう。
- 発注を漏らしていて、もし部品会社に欲しい部品の在庫がなかった場合は自分の力ではどうにもならず、上司経由で部品会社にお願いして緊急で部品の生産をしてもらう可能性もあります・・・。
- 部品がどうしても間に合わないような場合、生産の計画の順序を入れ替えてもらったりの調整も発生します。その場合は製造現場に頭を下げてどうにか計画を変更してもらうことになります。
とトラブルが起こったときに対応するのも生産管理の仕事です。
在庫の管理
受け持った部品の在庫数ももちろん管理する必要があります。ただし適正な在庫を持つというのは案外難しくて、トラブルが発生したときは多めの在庫があると色々と対処するのに役立ちますが、普段は在庫が多くあると在庫の置き場が溢れたり、その在庫を出し入れするだけでも手間が大幅にかかるので生産現場から在庫を減らせとクレームが来ます。
部品管理を担当する身としては多めの在庫を持って安心していたいという気持ちがありますが、在庫はない方が正義という考えの人たちがいて、その狭間で管理しなければなりません。
生産管理としては適正在庫で生産を回せと言われます。在庫は極力少なく、そして生産への欠品はするなという正直答えのない問いです。
担当する部品点数が1点とか2点なら厳密に管理することができると思いますが、実際のところは数百点を担当していましたから、全ての部品の在庫数を毎日完璧に管理することは不可能です。思いつめて毎日完璧に管理しようとしたら鬱になりますし、だからといっていい加減に放置しておくと、ある時部品が足りないと大騒ぎになりますから、うまく手を抜きつつ要所を掴んで管理しなければなりません。
部品管理には真面目さが必要であり、ただ真面目すぎると管理に窮するところがあります。長いことやっていると手の抜きどころが分かってくるので、慣れも必要な部分だと思います。
生産管理で大切なこと
生産管理の仕事は工場内の生産現場へ指示を出したり、取引先の部品会社へ指示やお願い事を聞いてもらったり、逆に調整の依頼を受けたりといったことになります。
もちろん計画を組んだり、在庫の管理をするのも仕事の一つです。
生産管理で特に大切なことはお願いを聞いてもらえるような関係を築くことであって、社内の人、社外の人と信頼を得られることが仕事をするうえで大切になってきます。
なので一方的にあれしろこれしろと指示だけ出していても、うまく仕事が回らなくなってしまいます。例えば、自分に非がなく相手の頼みを突っぱねられる時でも、貸しを一つ作るくらいで協力してあげたりすることも必要だと思います。自分が困っているときに協力してもわなければならない場面もあるわけですから、持ちつ持たれつの関係性を構築しておくと仕事もやりやすくなります。(中には自分の要求だけ飲ませて、こちらのお願いは聞いてくれないずる賢い人もいますが・・・)
生産管理でつらかったこと
部品欠品をすると大変なことになるので、いつも気が気でない
担当する部品を欠品させてしまうと、生産がストップして大騒ぎになります。小さなボルト一つがなくても、生産することができなくなってしまうのです。生産ラインが止まると、作業員たちの仕事が止まります。作業員が100人いて、一時間作業を止めてしまえば、目に見える損失額(人件費など)となります。まして、自社の生産が滞って完成車メーカーへの納入ができない事態となって完成車メーカーのラインをストップさせてしまうことになれば、膨大な損失額を請求される可能性があり、また信頼を失うことになりますから責任は重く感じます。
生産現場と取引先(部品会社)との板挟みになる
生産現場からあらゆる要求が上がってきます。
例えば
- 重くて運ぶのが大変だから、1箱に50個入っている部品を30個に減らしてほしい。
- 一日に1便で入ってくる部品を、3回に分けて少量づつ納品してほしい。
- 10時に入ってくるトラックの搬入時間を30分早めてほしい。
現場の都合に合わせて色々と要求があります。
しかし、現場の要求を全て受け入れることは当然できません。
箱に入っている部品数を減らせば、輸送コストが上がります。一日一便で納入されるものを、少量に分けて分割で納品する場合も輸送コストは上がるでしょう。部品の購入単価は購買などと契約しているので、そう簡単に変更できません。購買担当に連絡をして要望を伝えますが、大抵は通りませんね。
トラックの搬入時間の変更も、トラックはそもそも他の搬入先(会社)への荷物も積んでいたりします。そうすると勝手に搬入のスケジュールを変更することは簡単にはできません。
現場はそういった事情はお構いなしに要求してくるので、生産管理としてはもちろん無下に断ることはできませんし、部品会社や自社の購買担当などと調整が必要になってきて板挟みによくなります。
生産現場から在庫を減らせとの要求がきつい
先程も書きましたが、在庫がたくさん現場にあると不都合があります。置き場のスペースがなくなったり、一時置き場から生産場所へ移動させる時にも在庫が多いと手間が増えます。なので現場としては在庫は極力少ないほうがいいのです。
しかも現場は、何らかのトラブルで部品が欠品する可能性があるところまで考えてくれない人もいたりします。この部品は遠方から購入しているので、すぐには追加で納入できない。その為在庫を少し多めに持っておかないと、トラブル時に対応できない。といったことを説明して納得してもらう必要があったりします。
工場が稼働しているかぎり気が休まらない
工場は繁忙になると昼夜生産をしなければならなくなったりします。また、休日出勤で土曜にも稼働させることがあります。生産管理担当としては当然夜間生産までは勤務できませんし工場が休日稼働の時も生産管理内で当番の持ち回りで対応したりしていました。
一日の仕事が終わって退社した後や、土曜休日で出勤していないときも、工場が稼働していると自分の担当部品がちゃんと生産に間に合っているか気になってしまって、気をもんでしまったりします。休んでいる時に会社からの電話が鳴ると肝が冷えます。
天気や災害に振り回される
台風や雪の情報には敏感にアンテナを張り対応しなければなりません。台風で船便はちゃんと運行されているのか。雪で道が通行止めになっていないか。納品は予定通りされるのか。各部品会社へ連絡を入れて輸送状況の確認に追われます。
地震が起これば、地震が起こった地域にある会社に問題は出ていないのか逐次確認をしなければなりません。
平常が当たり前、異常があれば怒られる
生産管理の仕事は滞りなく平常に生産が動いている状態を保つことです。
なので、普通に生産できることは当たり前であるので、普段なにか達成感や褒めてもらえるようなことは少ないですね。逆に何か異常が発生して生産が滞ると、どうなっているんだと詰められることがあります。生産管理が目立つ時はトラブルが起こったときが多いので、気持ちがネガティブになりがちです。
生産現場からの「部品がないんだけど」という連絡に毎回ビビる
この連絡を受けると瞬間的に気持ちが落ち込みます。
「何かの間違いであってくれ・・・」
祈りを込めるような思いで、確認に当たります。
連絡を受けた時点で頭の中でいろいろと思いがめぐります。
- 部品が本当にないのか
- 自分に落ち度があるミスによって部品がないのか
- 部品会社に落ち度があるのか
- 輸送トラックでなんらかの手違いがあったのか
一番最悪なのはもちろん自分に落ち度があって部品が納入されていないパターンです。
緊急でいろいろな人に動いてもらう為に頭を下げてお願いを聞いてもらい、調整をはからなければいけなくなります。事がなんとかおさまっても、なぜそんな事が起きたのか振り返り、二度と同じことが起きないような対応策を社内で要求されたりもしますのでかなりへこみます。
部品会社や輸送会社のミスで責任が自分にない場合でも、部品がないのは問題であることに代わりはなく、そいうった下請けの会社への管理や指導ができていないことを責められることもあります。
最も納得いかないのは、部品がないと言われ現場を確認してみると、しっかりとその部品がある場合です。現場の勘違いで済んだことには安堵しますが、不安で心配な精神的苦痛を受けたダメージを、軽く「ごめんごめん」で済まされたりするのはちょっと納得できない気分になります。
打ち切り部品の在庫管理はひやひやもの
モデルチェンジなどで生産が終了する場合、その製品専用で使われていた部品はもう使う場面がなくなるので、生産が終了すると同時に手配も終了させないとその部品はゴミと化します。普段はある程度のざっくりした在庫管理していたものも、生産が終了する時には厳密に在庫管理せざるをえなくなります。部品が足らなくなるのはもってのほかで、多く余らせるのも大問題になります。
社内にある部品在庫数を把握し残りの生産数を算出して、最終的な必要数を部品メーカーに発注しなければいけません。しかも社内の生産で作業員がミスをして部品をダメにしてしまう可能性もあり、その点も考慮して必要数を出さなければいけなかったりもします。
加えて部品メーカーとも連携して最終的に余計な在庫を残さないようにしないと、社内の在庫はきれいに終えることができたとしても、部品メーカーに大量の在庫が残ってしまった場合、残った部品を補償してくれとトラブルになったりします。打ち切りの在庫管理で下手をすると膨大な損害費用となるので、本当に神経をすり減らす仕事の一つです。
生産管理は何でも屋と思われている
生産現場に指示を出したり、工場内のいろいろな調整をするのが生産管理です。
そんなことからか、何かとあれば生産管理が出動し対応することが多いです。
例えば、
大雪が降れば雪かきに駆り出され、
風が強くて野外にある空箱が飛ばされれば回収に駆り出され、
大雨が降って排水口が溢れれば土のう積みに駆り出され、
製品の品質に問題が発生すれば、製品検査に駆り出され、
工場内で何か人員が必要となった場合、なぜか生産管理が真っ先に駆り出されました。
結局自分の仕事は後回しにならざるをえなくなるという・・・。
苦手な人にもお願いしないといけないことも
いろいろな人がいますから、コミュニケーションを取りやすく気が合う人もいれば、そうでない人もいます。どんな仕事でもそうだと思いますが、人間関係が重要です。生産管理は工場内のあらゆる部署とコミュニケーションする必要がありますから、中には苦手な人も出てきます。うまく立ち回るスキルが試されますね。
生産管理の仕事をしてみて感じたメリット
数が数えられるようになる
数が数えられるようになるなんて小学生か!と言われるかもしれませんが、案外数を正確に数えるというのは難しかったりします。部品管理を始めた頃は現場にある在庫を何度数えてもいつも数が違うんですよね。
多くの人と関わることができる
生産管理はもちろん工場内で多くの人と関わり合いながら仕事をします。
更には購買や営業、開発、設計、生産技術、社内システム部、原価管理など様々な部署と関わり合いながら仕事をします。なので信頼を得られるような仕事をしていると、多くの人から評価されるチャンスがあります。
「うちの部署に来ない?」なんて半分冗談かもしれませんが声をかけられることもありました。社内で多くの人に顔を知ってもらえるというのは、いろいろな面でメリットだと思います。
生産の全体像がわかる
新規の開発から始まり、試作をへて、部品の調達先の選定や品質のチェック、自社の量産準備があり、量産の立ち上がり、日々の量産計画、その為の部品の取り入れ、製品や部品の在庫管理、最終的に生産の打ち切りに向けた管理。
それぞれの工程で専門の部署が仕事をしているわけですが、生産管理は生産の全体に関わってくるので守備範囲が広いです。生産の大まかな流れをつかむことで得られる知識は強みになると言えます。
コミュニケーションスキルが磨ける
周りと良好な関係を築くのも仕事の一つなので、時には雑談などでコミュニケーションを取ることが必要です
現場へ指示を出したり、お願い事を聞いてもらったり、困りごとを相談したり、逆に現場からの要望を聞いたり、調整依頼があったり。
良好な人間関係が築けていないと、うまく仕事が回りません。
相手の懐に入り込めるように、時には仕事とは関係ない話題で打ち解ける必要もあると思います。
コミュニケーション能力に長けている人が生産管理の仕事に関してもうまくできている印象があります。もくもくと一日中自分の机にかじりついて仕事をしているものよりも、「あいつはまた製造事務所でだべってるのか」なんて言われている人の方が要領もよく仕事をこなしている感じがします。
勤務時間内はある程度自由に動ける
一日中ずっと机に座って仕事をしなければならないわけではなく、現場に赴いて部品在庫の確認をしたり、納品の対応をしたり、現場に相談に行ったりと一日の仕事の裁量は結構自由です。ただ、あまりぷらぷらしていると、時間に縛られている現場の作業員からは白い目で見られている可能性もあります。
対人スキルやビジネスにおける常識が身につく
社内の他部署の人と関わりますし、部品メーカーや、時には得意先の人ともやり取りがあります。電話やメールの応対、打ち合わせの対応など、場数も多く踏むのでそれなりに対処できるようになります。ビジネスにおける一般的な常識みたいなものが自然と身につけることができます。
パソコンが扱えるようになる
一般的なパソコンスキルであるワードやエクセル、パワーポイントが扱えるようになります。管理しやすいように在庫管理の表をエクセルで独自で作ったり、取引先へ展開する文書をワードで作ったり、プレゼンする資料をパワーポイントで作ったりと、それなりのスキルが付きます。学校などで習うよりも、やはり実践で使うことで身につくことはあります。
そんなに大層なスキルとは思わないですが、案外他部署の人のパソコンの仕事を見たりすると、もっと簡単にできるのに、なんて思ったりするので、パソコンは出来ますと言えるレベルなんだと思ったりします。
生産管理に向いている人
足し算引き算ができる
数字を扱う部分があるので、基本的な足し算引き算が必要です。たまに掛け算も必要です。でも複雑な計算は基本的には使わないので普通に計算できれば問題ないかと。
ただ簡単な計算でも、もし計算ミスがあると大トラブルになる可能性があるので慎重さは必要です。単純な計算のはずなのにその時の思い込みなんでしょうね。後々なんでこんな計算をしたのかわからないなんてこともあったりしますね。
分からないことを分からないと言える
部品の在庫管理や生産計画の作成など単純な作業もありますが、ちょっとしたミスが大きな失敗につながる可能性があります。
ただ、タイミングの要素が入ってくるのでややこしくなる場面があります。部品在庫を一日単位で見れば問題ない時でも、納入される時間によって部品が足りなくなるときがあります。朝一に納入されれば問題なくても、午後一時に納入されると午前中の生産分の必要部品数を考慮しておかないと部品が足らなくなったりするのでうっかりミスをしないような注意が必要だったりします。
なのでしっかりと自分の仕事を理解していないといけません。分かったふりをして曖昧な理解で調整をしたりすると後で大惨事を招くことになります。
生産管理の仕事は確実性が問われるので、分からないことを分からないままにしておかないことが重要です。
同じ失敗を繰り返さない
どんな仕事でも同じだと思いますが、同じ失敗を繰り返していると信頼を失います。特に生産管理がミスをして生産がストップすると工場全体に影響します。「またアイツか」となると工場全体に周知されてしまうので、一度信頼を失うと影響は大きくなってしまいます。
真面目であって、真面目すぎない人
生産管理の仕事は生産の根幹をなすので、ここがいい加減だと生産全体に影響が出てしまいます。なので責任感を持って仕事をする真面目さが必要とされます。
ただ、全てを完璧にしようとするのは難しい部分もあります。部品管理で担当する数百点全ての部品を正確に管理するのは難しく、もし一個の誤差もなく管理しようとしたら仕事終わりません・・・。そういった意味で、全てを完璧にしようとし過ぎる真面目さだと続けることが出来ません。抑えどころはしっかりしておきつつ、手を抜くところは要領をつかんで切り抜ける図太さも大切になってきます。
最後に
生産管理は生産の全体について理解できるようになるので、仕事を着実にこなしていければ重宝される人材になっていけるはずです。
ただ、仕事がなかなか数字に現れてこないので評価されるのに時間がかかるかもしれません。言ってみれば周りから信頼をどう得られるかが重要になってきます。工場はもちろん、開発部隊や営業など他部署との絡みも多いので、信頼を得られればきっと頼りにされる存在になれるはずです。
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